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長嶋茂雄旗杯2回戦―Last stage― ~序章~

2011年11月6日(日)
天気 曇り/雨
気温 20度

岩名第一球場
試合開始 13:00




ザーザー・・・バシャバシャバシャバシャ・・・ザーザー・・・
ザザザーーー・・・ザーザー・・





暗闇の中でかすかにざわめきのような音が聞こえてくる。

騒音では無い。ごく僅かに聞こえてくるだけなのだ。

どこから聞こえてるの?


どこか遠くの・・・そう、あえて言うなら脳みその裏の方からである。

心地いい様でなんだか気になる。



「あ、そっか。。」
ふとぼやけた意識の中で思った。

「夢だ」



「・・・・・・」
「・・・・・・・?」
「・・・・・・・・!?」


「!!」
「!!」

イヤ、違う!
その瞬間に脳みその裏から聞こえていたざわめきがすぐそばに来た。

「雨の音だ!」



そう、今日は大事な試合の日である。
昨日から懸念していた通りまんまと雨が降っていたのだ。

「夢なんかじゃないじゃん」




これから始まる準備の段取りが光の如く脳内を駆け巡った。
だが数分前で寝ぼけていた回路では到底段取りの光が届くわけはなく・・
与えられたのは慌てる気持ちだけだった。


「ヴゥーヴゥーヴゥー・・・」


「ヴゥーヴゥーヴゥー・・・」




そんなのろまな回路に追い討ちを掛けるように、日の出まではまだ時間のある暗い寝室にけたたましい振動音が響く。
まだ寝ぼけたような、覚醒されたような良く分らない思考回路のまま慌てて振動音の発信元を探った。

そして手に触ったその小さく震える物体の側面をカチッと小さなボタンを押した。
動きを封じられた物体からは、「これならどうだ」と言わんばかりに今度は薄く青い光を放ってくる。



その光の帯を掻き分けてそっと画面を覗いた。
「5時・・か」




呟いてもどうにもならない事を呟いて自分に言い聞かせながら既に光を失った携帯を握り、廊下のライトのスイッチを手で探った。
淡い明るさを頼りにベランダの窓までゆっくりと来るとカーテンを細く開けた。

夏の朝なら5時でもそろそろ明るい。
だが11月の夜明けはまだまだ遅く外も暗い。
しかも雨ともなれば月明かりすらも届かない。


・・ザーザー・・・

細く開けたカーテンの隙間から更に暗い空を映すガラス窓を少し動かしてみる。





ザーザー・・・バシャバシャバシャバシャ・・・ザーザー・・・
ザザザーーー・・・ザーザー・・



脳みその裏から聞こえていたざわめきに似た音がその正体をはっきりと現した。
「止むのかな」




今日は大事な試合の日。
昨日から懸念していた通りまんまと降っている雨は今日の試合をどうしようとしているのか。



今日は6年生が最後となる公式試合の初戦である。
言うまでも無く負けた時点で終わりとなる。




ザーザー・・・バシャバシャバシャバシャ・・・ザーザー・・・
ザザザーーー・・・ザーザー・・



静寂を唯一阻止するそれらは相変わらず大きな黒い空から地面へ進入を続けている。


寒さを感じながらもう少し窓を開けてみた。
そして全身に雨音を浴びた。

雨音を浴びながら黒い空間に降り落ちてくる雨の形を捉えようと見つめてみた。
一粒ひと粒の雨を・・・降り続く雨粒すべての形を捉えようとただじっと見つめていた。

行為に意味は無い。
ただじっと雨の形を目で追って居たかった。



今は耳からはっきりと聞こえてくる雨の寂しげな音とは別に、何故か脳みそではなく今度は心の裏の方からあのざわめきが聞こえていたのだ。



まだ明けきらない街並みに時折駆け抜ける車のヘッドライト・・・
そのヘッドライトに照らし出される雨の線・・・


黒い闇、雨粒、ヘッドライト・・・
それらを静かな空間で静かに見続けた。
無意味な行為がそんな正体不明のざわめきを消してくれることをぼんやりと思いながら・・・


2107032.jpg




・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・
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Author:kamisizu phoenix
上志津フェニックスは上志津小学校地区及びその近隣の児童を中心とした野球が大好きな少年・少女で構成された軟式野球チームです。

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